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2017年12月21日、文学研究科で教職員を対象にハラスメント防止研修会が開催されました。

2017年12月21日、文学研究科でSOGIをテーマに教職員を対象にハラスメント防止研修会が開催されました。以下に、文学研究科の北原恵教授(男女協働推進センター兼任教員)からの開催報告を掲載しております。


2017年12月21日(木)、文学研究科ではSOGIをテーマに教職員を対象にしたハラスメント防止研修会が開催された(文学研究科ハラスメント問題委員会主催)。ハラスメント研修としてSOGIをめぐるテーマに取り組んだのは初めての試みである。研修会の内容を簡単に報告したい。

当日は教授会が長引き、予定よりも1時間遅れの開始だったが、約90名の文学研究科の教職員が参加した。今回は、最近取り組みを始めた龍谷大学の職員と学生の5人を招き、賑やかな講師席になった。まず、山上浩嗣ハラスメント問題委員長の挨拶に続いて、本間直樹准教授(COデザインセンター/文学研究科)が「大阪大学のSOGIの多様性に関する取組みについて」と題し、基本的用語の説明とSOGIの重要性についてレクチャーを行った。

大阪大学では2017年7月19日付けで「大阪大学「性的指向(Sexual Orientation)」と「性自認(Gender Identity)」の多様性に関する基本方針の策定」を制定し、性的指向と性自認の多様性と権利を認識し、偏⾒と差別をなくすよう、構成員への啓発活動を⾏うことを基本⽅針として提⽰したばかりである。

本間先生は大阪大学での最近の取組を紹介したあと、「LGBTs」「GSM(性的少数者)」「SOGI」などの基本的用語について解説し、LGBTsやGSMが誰(who)が属するのかを示す「人」による集合であるのに対して、SOGI(Sexual Orientations Gender Identity)は何(what)の問題であり、「少数者」ではなく、すべてのひとに関わる概念であること。従って「SOGI(E)は本来一人一人ちがうので、ある特徴を理由に差別を受けることなく、私生活から公的生活まで、すべてのひとの基本的権利が尊重されるべきである」(2007年国連人権理事会「ジョグジャカルタ原則」)ことを説明した。

続いて登壇者全員で「大学でLGBTなどが置かれている現状と取組」と題したパネルディスカッションを行った。まず、龍谷大学LGBTs交流サークル「にじりゅう」の学生メンバー4人が、自己紹介をした。それぞれの出生時の性、性自認、性指向、性表現の4つの要素で自分を紹介し、学校生活でぶつかる困難やカミングアウトの状況について語ってくれた。そのなかに込められた一人一人異なる体験の語りは、「当事者」として一括りにしがちな先入観を覆し、「多様性」という抽象的な言葉を血肉化し、目に見えるものにするものだった。

次に、龍谷大学宗教部の安食真城課長が、「大学でLGBTなどが置かれている現状と課題」について講演した。専門家でない安食課長がこの課題に気づいたのは、「女子トイレに男性不審者が侵入」というポスターが貼りだされたときのこと。その文言によって「居心地の悪さや不安を感じている人がいるかもしれない」ことを指摘された安食課長は、さっそく2016年に全学の学生・教職員を対象に「龍谷大学におけるセクシュアルマイノリティの現状とニーズに関するアンケート」を実施した。アンケートの結果、セクシュアルマイノリティを自認している学生・教職員の数は15%に上ることがわかり、「セクシュアルマイノリティとはごく身近で当たり前の存在であること、大学内で、日常に嘲笑的言動が生じていることや、「話のネタ」として使われることも多く、無自覚・無理解の発言が相手を傷つけている結果」が明らかになったという。講義中に「同性愛は病院に行けば治る」と言ったり、同性愛を笑いの対象とする教員の発言は、龍谷大学だけの話ではないだろう。一橋大学ではアウティングがきっかけで学生が自殺したように、大学での取り組みは命にかかわる喫緊の課題なのである。

そして、にじりゅうのメンバーは会場からの質問に対して丁寧に応答し、次の言葉でパネルを締め括った。――「じぶんたちのようにカムアウトできないひとも多いし、LGBTsの当事者でなくともしんどいひともいる。必要なのは、そのような見えないひとたちへの思いやりである」。

1時間半近くに及んだ今回の研修会から教えられたことはあまりにも多い。最後に、豊中キャンパスでの教職員・学生のゆるやかなネットワーク作りと、本学で策定された基本方針の実質化を呼びかけて、研修会は終了した。

                (大阪大学大学院文学研究科教授/男女協働推進センター兼任教員 北原恵)

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