ダイバーシティ研究環境実現 イニシアティブ(牽引型)特設サイト全国ダイバーシティ・ネットワーク

2019年度第1回セミナーダイバーシティ研究環境実現型イニシアティブ(牽引型)「日本の潜在力 ‐武器としての人口減社会‐」を開催しました

2019年9月5日(木)13時30分~15時、大阪大学銀杏会館3階 阪急電鉄・三和銀行ホール(吹田キャンパス内)にて標記のセミナーを開催しました。参加者は、教職員、学生、事業関係者など154名。

ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)事業は、2016年度より国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、ダイキン工業株式会社を共同実施機関として開始したもので、研究機関・企業とともに女性研究者の研究力向上、育成、仕事と家庭の両立支援、次世代の女性研究者の裾野拡大に取り組んでいます。その一環として、構成員の意識啓発を目的として、日本人女性として初めてOECD(経済協力開発機構)東京センタ-所長に就任された村上由美子氏をお招きし、「日本の潜在力―武器としての人口減社会―」と題してご講演いただきました。

冒頭に、世界のメガトレンドとして、高齢化社会を挙げられました。日本は今まさに、超高齢化社会を迎えているが、2050年には、現在の日本の状況よりも高齢化が進む国が世界に多数あることをデータで示され、いち早く少子高齢化を経験している日本は、今後、世界を市場に取り込むチャンスがあると、人口減社会を武器としてとらえる視点を、自身の経験を交えて話されました。

次に、テクノロジーの革新によりオートメーション化が進み、仕事の進め方が大幅に変わるため、これに対応する必要があるが、世界はリーマンショック以降、失業率が高止まりしていることから、雇用を減らす要因となるオートメーション化が進みにくい状況にある。一方、日本は少子高齢化の人手不足と相まって、テクノロジーの改革を推し進める追い風が吹いている、と村上氏。日本は今、新たな時代に適応できるスキルを世界に先駆けて身に着けるチャンスを迎えている、と述べられました。

また、日本は、読解力や数的思考力といった基礎的学力について、OECDの中でトップであることをデータで示され、新しいテクノロジーを迎え入れる能力は十分にあるが、男女の報酬の格差が約26%と、OECDの中でも格差の特に大きい国であり、女性の能力を十分に生かしきれていない、と村上氏。女性が男性と同じように社会で働き、昇進・活躍の場を与えられ、報酬を得るだけで、他の要素が何も変わらなくても、日本のGDPの伸び率は約2倍になる、と伝えられました。

さらに、15歳の子どもを対象とした調査でも、日本の学力は世界トップクラスという結果だが、自己肯定力、大志を持っているか、といった点では、日本の子どもはOECD諸外国と比べて低い、といった特徴があることも示されました。

また、日本は技術、資金、学力はトップレベルである一方、それを事業化、商品化して経済活動につなげる力がOECD諸国の平均以下であるとの統計も示されました。異なるものと「つながる力」が弱い一方、チームでの共同作業はとても得意、という結果もあり、ここが生かすチャンス、と村上氏。

求められるリーダー像については、昔はカリスマ性の高いリーダーが求められていたが、今は羊飼い型のリーダーが求められている。社会の変化のスピードが速いため、様々な価値観、バックグラウンドをもつ人がリスクを感じず、意見を発信できる環境を整え、そこから良い意見を吸い上げて、ゆるやかに方向性を示すことが大切、と述べられました。

また、ニューヨーク・フィルハーモニーでは、応募者と審査員の間にスクリーンを置く「ブラインドオーディション」を行うことで、女性、非白人の合格率が上がったことを例に挙げ、無意識のバイアスを意識することの大切さも伝えられました。

そして最後に、コップに入った水を例に挙げ、見方を変えれば、多いとも少ないともとらえられるように、今、日本が直面している人口減社会は、発想を変えれば「チャンス」ともとれる、と話されました。日本はすでに、技術、資金、人材と、材料がそろっている、あとはこれらをどう活用するかのシステムを考えるだけである。その際には、無意識の偏見、先入観に目を向けてみることも大切であり、そうすることで、違った世界が見えてくる可能性がある、と述べられ、講演は幕を下ろしました。

質疑応答も含めて、あっという間の1時間半で、OECDの客観的な統計データを用いながら、時に、ご自身の体験を交えた説得力のあるご講演に、参加者からは日本のこれからに希望が持てた、との声が多数寄せられました。

コラボレーティブ・スペース前にて
左から、村上 由美子 OECD東京センター所長、工藤 眞由美 理事・副学長
大阪大学男女協働推進宣言

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